Kデスクトップ環境

章 2. kdm のインストール

2.1. kdm のセットアップ

README ファイルをご覧ください! kdm のコンパイルの方法が説明してありま す。しかし、通常は自分で kdm をコンパイルする必要はありません。kdm は kdebase パッケージの一部であり、他のものとまとめてコンパイルされているからで す。その場合、$KDEDIR/bin ディレクトリにインストールされます。

注意: make install によって以前の kdmrc は上書きされます。

インストールの過程で新しいバージョンの Xsetup_0 ファイルがインストールされます。特にこれには
 kdmdesktop
という行が含まれており、これで見映えのよい背景 (画像や背景色) が表示で きます。通常このファイルは xdm の設定ディレクトリ、Redhat なら /etc/X11/xdm/XSetup_0 、また S.u.S.E. なら /usr/X11R6/lib/X11/xdm/XSetup_0 にあります。 KDEDIR が /opt/kde でない場合には、kdmdesktop へのパスを変更する必要があるかもしれません。

PAM (Red Hat 5 および 5.1 では標準) を選択した場合、 /etc/pam.conf を調べて、以下の行を探してください
 # xdm authorization
 xdm    auth       required     pam_unix_auth.so
 xdm    auth       required     pam_unix_acct.so
これらの行がない場合は、追加してください。

さて、そろそろ kdm をテストしましょう。xdm が実行されないランレベルへ とシステムを変更する必要があります。それには /etc/inittab ファイルを編集します。以下のように書いてある行を探してください
 # default runlevel
 id:3:initdefault:
id: のうしろの値は標準のランレベルのコードであり、ディストリビューショ ンに強く依存していますが、常にきちんとした理由があります。もっとも一般的なデ ィストリビューションのグラフィカル ログイン (xdm) のランレベルは次のとおりです

このあと、任意のシェルで以下のコマンドを入力して kdm の起動を試みることができます:
 > kdm -nodaemon
kdm のログイン ボックスが表示されログインすることができれば、成功で す。ここでうまくいかない場合は、おもにランタイム リンカが Qt あるいは KDE の 共有ライブラリを見つけられないというときです。すべてがうまくいけば、xdm を kdm に置き換えることに着手できます。これもまた、ディストリビューションに依存しています。

私の知るかぎりでは、いずれのディストリビューションでも、/etc/inittab ファイル内のランレベルを (上記のとおり、あるいは inittab ファイル自体に記し てあるとおり、Redhat なら 5 に、S.u.S.E. なら 3 に) 変更する必要があります。 KDE ライブラリのバイナリ ディストリビューションをお持ちの場合、ライブラリが 想定している場所に kdm がインストールされているかを確認してください。あらた めて言いますが、これは通常 /opt/kde/bin です。inittab を変更したくない場合 は、代わりに「xdm」を「xdm.bak」へと名称変更し、xdm を kdm へのシンボリック リンクにしてください。kdm は、xdm の設定ファイルからディスプレイ マネージャ の全般的な設定を、$KDEDIR/share/config/kdmrc ファイルから kdm 独自の 設定をそれぞれ読み込みます。また、kdmdesktop は kdmrc を読み込みます。